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2026/07/26

【解説】ABTC(APECビジネス・トラベル・カード)とは? ~海外出張の多い企業様・従業員様におすすめの制度~

いつも当事務所のブログをご覧いただきありがとうございます。

海外に事業展開されている企業様や、

頻繁に海外出張をされている経営者・従業員の皆様から、

「出張のたびにビザの手続きが面倒」「入国審査に時間がかかって困っている」

といったお声をいただくことがあります。

そこで今回は、そうしたお悩みを解決できる可能性がある制度、

ABTC(APEC・ビジネス・トラベル・カード)**についてご紹介します。

ABTCとはどんな制度?

ABTC(APEC Business Travel Card)とは、

APEC(アジア太平洋経済協力)に参加する国・地域を頻繁に往来するビジネス関係者のために発行される、

特別な渡航カードです。

外務省が交付する公的なカードで、

対象国・地域への入国が大きくスムーズになる点が特徴です。

海外出張の多い企業様にとっては、

出張準備の手間を減らし、現地に着いてすぐ動ける体制づくりに役立つ制度といえます。

メリット1:対象19の国・地域へビザなしで入国できる

通常、海外へ渡航する際には渡航先ごとにビザ(査証)の取得が必要になりますが、

ABTCを保有していれば、

オーストラリア・中国・韓国・シンガポール・タイ・アメリカ(暫定加盟)など、

APEC参加19の国・地域についてビザが免除されます。

出張のたびにビザ申請を行う必要がなくなるため、

急な出張や複数国をまたぐ出張の際にも、スケジュールが立てやすくなります。

メリット2:入国審査が専用レーンで大幅短縮

対象国・地域の空港では、ABTCを提示することで専用の入国審査レーンを利用できます。

通常レーンの長い列に並ぶ必要がなく、

入国審査官もABTC保有者を「ビジネス目的での入国者」とスムーズに認識するため、

余計なやり取りが生じにくいというメリットもあります。

日本国内では、羽田・成田・中部国際(セントレア)・関西の各空港に専用レーンが設置されています。

取得できる方の条件

ABTCは、希望すれば誰でも取得できるものではなく、

外務省が定める一定の要件を満たす必要があります。

主な要件は次のとおりです。

・有効な日本国旅券(パスポート)を所持していること

・申請書類等に虚偽の記載がないこと

・犯罪歴がないこと

・貿易・投資その他のビジネス活動の実績があるなど、外務大臣が告示で定める要件に該当すること

なお、プロスポーツ選手や報道関係者、

芸能人・音楽家など一部の職業の方は対象外とされていますので、

取得を検討される際はご注意ください。

有効期限について

ABTCの有効期限は、原則として交付から5年間です。

ただし、交付時点でパスポートの残存有効期間が5年に満たない場合は、

パスポートの有効期限に合わせてABTCの有効期限も短くなります。

また、ABTCは旅券番号ごとに発行されるため、

パスポートを更新した場合は、改めてABTCの申請が必要になる点にも注意が必要です。

利用にあたっての注意点

ABTCを使って渡航する際は、以下の点に気をつける必要があります。

・ABTCはパスポートの代わりにはならないため、

 入国審査では必ずパスポートとあわせて提示すること

・許される活動は「短期間の商談・市場調査・契約締結」等に限られ、

 報酬を伴う就労や観光は認められないこと

・渡航先の在留資格(滞在許可)を別途お持ちの場合、

 ABTCの提示によって短期商用扱いとされ、

 既存の在留資格が取り消されるおそれがあるため、入国審査官への説明に注意が必要なこと

商用目的の範囲を超えた活動を行うと、

現地の法令による処罰や、ABTC自体の失効につながる可能性もありますので、

利用目的の範囲はしっかり確認しておくことが大切です。

まとめ

ABTCは、海外出張が多い経営者様・従業員様にとって、

「ビザ取得の手間の削減」と「入国審査時間の短縮」という2つの大きなメリットをもたらす制度です。

一方で、

・申請には一定の要件を満たす必要があること

・利用できる活動範囲に制限があること

・申請から発行まで一定の期間を要すること

など、事前に押さえておくべきポイントもあります。

当事務所では、外国人材の受け入れに関するご相談を中心に承っておりますが、

企業様の海外事業展開や、経営者様・従業員様の海外出張に関するご相談も承っております。

「ABTCの取得を検討しているが、自社の従業員が対象になるかわからない」

「海外拠点とのやり取りが増えてきたので、社内の渡航体制を整えたい」

など、お困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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