【第4回】「日本語の壁」をどう乗り越える? ~企業ができる学習支援のヒント~

いつも当事務所のブログをご覧いただきありがとうございます。
「日本語って、本人の努力でなんとかしてもらうものですよね?」
「現場では、身振り手振りでなんとかなってるんですが…新制度ではダメですか?」
こうしたご質問も、
最近とても増えてきました。
育成就労制度では、
技能と並んで「日本語能力」が大きな柱になっています。
第4回となる今回は、
新制度で求められる日本語のレベルと、
企業様にできる現実的な支援策を、
わかりやすくご紹介します。
目次
日本語能力が「必須要件」に格上げ
これまでの技能実習制度では、一部の職種を除き、
日本語の能力が在留資格の更新に直接ひびくことはあまりありませんでした。
ところが、育成就労制度では、
節目節目できちんと日本語能力が確認されることになります。
具体的には、こんなイメージです。
・入国前のチェック:日本語能力試験N5相当(A1)以上の合格、または相当の講習を受講していること
・特定技能1号への移行時:N4相当(2)以上の合格が必須
つまり、
ある程度の日本語が「身についていないと、次のステップに進めない」という仕組みになるわけですね。
なぜ国はここまで日本語を重視するのか
「そこまで厳しくする必要があるの?」と感じられるかもしれませんが、
その背景には大切な理由があります。
現場の安全を守るため
特に建設・製造・介護といった現場では、
指示や危険告知を正しく理解できないことが、
重大な事故につながりかねません。
日本語力は、ご本人の命と健康を守る「安全装備」でもあるのです。
地域社会の一員として暮らせるように
ゴミ出しのルール、ご近所付き合い、災害時の避難情報など。
生活面でのトラブルを防ぎ、
地域の一員として安心して暮らしていただくためにも、
日本語は欠かせません。
キャリアアップに直結するから
特定技能2号、さらには家族帯同、永住権…。
長く日本で活躍していただくためには、
コミュニケーション能力が不可欠です。
日本語ができればできるほど、
ご本人の未来の選択肢も広がります。
「本人任せ」では立ち行かない時代に
「日本語の勉強は、仕事が終わってから本人がやってくれればいい」
これまでは、こうしたスタンスでもなんとかなっていたかもしれません。
しかし、新制度ではそうはいきません。
なぜなら、本人が試験に合格できなければ、
特定技能へ移行できず、
3年で帰国していただかなければならないからです。
せっかく3年かけて育てた人材が、
日本語の壁ひとつでいなくなってしまう…。
これは、企業様にとっても、ご本人にとっても、
本当にもったいないことですよね。
企業ができる「ちょっとした支援」がカギ
「とはいえ、日本語学校を開けって言われても無理だよ…」
そう思われた方、ご安心ください。
すべてを企業で抱える必要はありません。
日々のちょっとした工夫で、本人の学習はぐっと進みます。
eラーニングを活用する
スマホ一つで隙間時間に学べるサービスが、今はたくさんあります。
月額数千円のものも多いので、
福利厚生として導入してみるのも一手です。
学習時間を「見える形」で確保する
「業務時間の最後の30分は学習に充てる」
「水曜日は早く帰って通学を支援する」など、本人任せにせず、
会社として時間を確保してあげることが、
何よりのサポートになります。
社内コミュニケーションを「やさしい日本語」に
実はここが、最もコストがかからず、
最も効果が高いポイントだったりします。
日本人社員が「やさしい日本語」を使い、
日常的に話しかけてあげるだけで、
本人の日本語力は驚くほど伸びていきます。
まとめ ~日本語支援は、企業にとってもプラスに~
日本語能力の向上は、もちろんご本人のためですが、
実は企業側にとっても大きなメリットがあります。
指示の理解が正確になれば、ミスや事故が減り、
業務効率が上がります。
日本人社員とのコミュニケーションが円滑になれば、
職場の雰囲気もぐっと明るくなります。
当事務所で、日本語教育機関との連携や、
各種助成金を活用した教育体制づくりについても、
企業様の状況に合わせてご提案させていただいております。
「何から手をつけたらいいかわからない」
「使える助成金があれば知りたい」
そんなご相談も大歓迎です。
お気軽にお問い合わせください。
次回は、いよいよシリーズ最終回。
「監理団体」から「監理支援機関」へと変わる、
パートナー機関との新しい関係についてお伝えしていきます。
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