なぜ在留資格が必要なの?
なぜ在留資格が必要なの?
在留資格はなぜ必要なのでしょうか?
このコラムはそんな単純かつ基礎的の質問に答え、在留資格の理解への第一歩を提供します。
在留資格制度は出入国管理及び難民認定法という法律によって規定されている制度です。
在留資格とは、外国人が日本に在留する間、一定の活動を行うことができること、または、一定の身分や地位を有する者としての活動を行うことができることを示す、『入管法上の法的な資格』のことです。
外国人は、この法的な資格に基づいて日本に在留し、日本で活動することができます。
ですので、日本に在留する外国人は、必ず何らかの在留資格を持っていることになります。
1.在留資格について
在留資格は身分や就労に沿って様々な区別がありますが、別に大きく分類されます。
① 身分に基づく資格
「永住者」「日本人の配偶者等」など身分・地位に基づく資格。
② 日本での活動範囲を定めた資格
外交や研究、介護、技能実習、特定技能、特定活動など日本での活動範囲を定めた資格。
資格ごとに、在留期間(無期限、5年、3年、1年、半年、3か月、30日、15日など)が認められます。
在留期限が過ぎてしまうとオーバーステイとなり、退去強制事由に該当することから、在留期限までに入管に対して手続をする必要があります。
②の日本での活動範囲を定めた資格のほとんどは、活動の内容や就労できる業務が限られています。
たとえば「教授」という在留資格を保有する外国人は、大学等で教授として働くことはできます。
しかし、別の仕事をするにはその仕事を許可する在留資格が必要です。
そのため、「教授」の在留資格を有する外国人は、企業の従業員として雇用されたり、会社を経営して収入を得ることはできません。
また、1人の外国人が同時に保有できる在留資格は1つのみとなります。
そのため、特定の在留資格を保有すると、原則他の仕事で収入を得ることは不可能となります。
他の仕事を行いたい場合には、別のタイミングで新たに在留資格を取得するか、「資格外活動」の許可を出入国在留管理庁から取得する必要があります。
なお、資格外活動とは、在留資格で許可されていない活動です。資格外活動が許可されれば、在留資格で認められた活動に支障がない範囲で他の仕事を行えます。
2.在留資格と査証の違い
在留資格と似ているものに査証(ビザ)があります。
意味を混同しがちですが、在留資格とビザは似て異なるものです。
簡単に説明すると、在留資格は日本に入国してきた外国人に対して、国内での滞在や活動を許可する資格です。
これに対して査証は、外国人の入国に対する推薦状のようなものです。
査証は、渡航先の国の大使館や領事館が発行します。
例えば、A国の外国人がB国に入国する際には、A国にあるB国の大使館または領事館にてビザの発行を受けます。
外国人が日本に入国する際には、原則ビザを発給してもらう必要があります。
ビザを持っていない外国人は日本国内に入国できません。
なお、ビザには有効期限があるため、その期限内に入国する必要があります。
ビザの効力は原則一度きりなので、再び入国するにはビザを再発行してもらわなくてはいけません。
まとめると、在留資格とビザの違いは必要となるタイミングや目的にあります。
在留資格は「国内での活動」、ビザは「国内への入国」をそれぞれ許可する点が最大の違いです。
あくまでビザは国内への入国を許可するものに過ぎないため、ビザを取得したからといって必ずしも在留資格を取得できるとは限りません。
したがって、外国人が日本国内で就労・長期滞在するには、ビザだけでなく在留資格も取得する必要があります。
3.在留資格の取得について
外国人を採用する場合には、在留資格の取得を企業側でサポートまたは外国人本人が入管へ手続をする必要があります。
ここでは、現在日本に住んでいる外国人(在留資格:特定活動)が就職先を見つけて、在留資格を技術・人文知識・国際業務へ変更する場合の手順を説明します。
手順1:在留資格の更新申請書を提出する。
就業先の企業の情報と本人の経歴や各種証明書を取得して、在留資格変更申請書を作成します。
そして、その申請書を入管へ提出します。
その際に必要書類の作成は複雑であるため、行政書士などの専門家に申請のサポートをしてもらうのがよいです。
手順2:入管から在留カードを受け取り、企業にて就労を開始する。
在留カードを受け取ったら勤務先の企業にて就業を開始します。
そして、在留期限が近づいてきたら在留資格の更新申請を行います。
4.まとめ
外国人が日本で在留するためには在留資格が必要です。
さらに就労するためには、従事する業務内容に合った在留資格の取得が必要になります。
外国人を雇用する際は、使用者側もどの種類の在留資格を取得すべきかを検討してください。
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