【調 査】外国人労働者の平均給与は29万2,400円に|特定技能は1.5%増にとどまる(令和7年外国人雇用実態調査)

いつもありがとうございます。
厚生労働省から、令和8年8月31日付けで
「令和7年(2025年)外国人雇用実態調査」の結果が公表されました。
外国人労働者の賃金や労働時間、企業が外国人を雇用する理由や課題が、
在留資格別に整理されている調査です。
自社の給与水準や採用方針を検討するうえで参考になる内容ですので、
当所より要点をご案内いたします。
平均給与は29万2,400円、前年比6.4%増
一般労働者(フルタイム)の「月間きまって支給する現金給与額」は
29万2,400円で、前年比6.4%増(金額にして約1万7千円増)となりました。
労働時間は、所定内実労働時間が158.7時間、
残業などの超過実労働時間が17.6時間です。
在留資格別の平均月給
在留資格別の月間きまって支給する現金給与額(一般労働者・令和7年)
身分に基づくもの 34万7,200円
専門的・技術的分野 30万6,500円
全体(平均) 29万2,400円
うち特定技能 25万4,100円
技能実習 21万3,500円
※棒の長さは、最も高い「身分に基づくもの」を100%とした比率です。
| 在留資格 | 平均月給 | 前年比 | 所定内/超過労働時間 |
|---|---|---|---|
| 身分に基づくもの (永住者・日本人の配偶者等) |
34万7,200円 | 13.8%増 | 151.0時間/15.8時間 |
| 専門的・技術的分野 | 30万6,500円 | 6.0%増 | 159.4時間/16.4時間 |
| うち特定技能 | 25万4,100円 | 1.5%増 | 163.1時間/20.3時間 |
| 技能実習 | 21万3,500円 | 1.7%増 | 165.2時間/21.4時間 |
| 全体(一般労働者) | 29万2,400円 | 6.4%増 | 158.7時間/17.6時間 |
【注目】伸び率は在留資格によって大きく差があります
今回の調査で特に注目したいのは、賃上げの広がり方に差がある点です。
平均給与の前年比(令和7年)
身分に基づくもの +13.8%
全体(平均) +6.4%
専門的・技術的分野 +6.0%
技能実習 +1.7%
うち特定技能 +1.5%
※棒の長さは、最も高い「身分に基づくもの(13.8%)」を100%とした比率です。
全体では6.4%の増加ですが、これを押し上げているのは
永住者や日本人の配偶者等の「身分に基づくもの」(13.8%増)です。
一方で、特定技能は1.5%増、技能実習は1.7%増にとどまっています。
労働時間は特定技能・技能実習の方が長い(所定内163.1時間・165.2時間)にもかかわらず、
賃上げの動きは限定的であることが読み取れます。
特定技能の受入れでは、報酬額が日本人と同等以上であることが要件とされています。
また、同一分野内であれば転職も可能な在留資格です。
賃金水準の据え置きが続くと、
「せっかく育てた人材が、より条件の良い他社へ移ってしまう」という事態につながりかねません。
今回のデータは、自社の賃金水準を見直す一つの目安になります。
雇用する理由と、現場が感じている課題
事業所側の回答(複数回答)は次のとおりです。
| 外国人労働者を雇用する理由 | 令和7年 | 前年 |
|---|---|---|
| 労働力不足の解消・緩和のため | 68.2% | 69.0% |
| 日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して | 56.2% | 54.7% |
| 事業所の国際化、多様性の向上を図るため | 18.1% | 15.8% |
| 日本人にはない知識、技術の活用を期待して | 14.1% | 13.2% |
「人手不足だから」という理由は依然として最多ですが、
「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」が56.2%と、
前年より増えています。
人手の穴埋めではなく、
戦力として位置づける企業様が増えていることがうかがえます。
| 外国人労働者の雇用に関する課題 | 令和7年 | 前年 |
|---|---|---|
| 日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい | 46.2% | 43.9% |
| 在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑 | 24.8% | 24.7% |
| 文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある | 22.4% | 20.9% |
| 生活環境の整備にコストがかかる | 21.9% | 19.9% |
働く側のデータ:8割超が「今の会社を続けたい」
労働者側への調査では、次のような結果が出ています。
・81.2%が「今の会社の仕事を続けたい」と回答
・日本国内からの入職経路は「知人、友人」が最も多く37.8%
・就労上のトラブルは「なし」が88.5%
・過去1年間に仕事のための訓練・勉強をした人は50.4%
定着に向けた企業様の取組は、着実に成果につながっているといえます。
一方で、トラブルがあったと回答した方のうち、
「事前の説明以上に高い日本語能力を求められた」が11.9%(前年8.8%)と増えています。
採用時に求める日本語レベルと、実際の業務で必要になるレベルのすり合わせが、
これまで以上に重要になっていることがうかがえます。
企業様に、今ご確認いただきたいこと
▢ 自社の外国人従業員の給与水準は、在留資格別の平均と比べてどうか
▢ 特定技能の方について、日本人と同等以上の報酬という要件を満たし続けられているか
▢ 昨年度の日本人従業員の賃上げが、外国人従業員にも同じように反映されているか
▢ 採用時に説明した業務内容・日本語レベルと、実際の配属先の実態に開きがないか
▢ 在留資格の申請事務の負担を、社内で抱え込みすぎていないか
当所より
今回の調査では、特定技能の平均月給は25万4,100円、前年比1.5%増でした。
数字だけを見れば「相場どおり」で安心しがちですが、
実際には、在留期間の更新時に報酬額が審査で確認されるほか、
本人が同分野の他社へ転職するという現実的な選択肢もあります。
・自社の給与水準が、在留資格の要件を満たしているか確認したい
・賃金や待遇を見直したいが、どこから手をつければよいか分からない
・申請や届出の事務負担を減らしたい
こうした点でお悩みの際は、どうぞお気軽に当所までご相談ください。
※本記事は、厚生労働省「令和7年外国人雇用実態調査」(令和8年8月31日公表)に基づいています。
同調査は、雇用保険被保険者5人以上かつ外国人労働者を1人以上雇用する事業所を対象としたもので、
3,919事業所・14,248人の有効回答を集計したものです。
【出 典】
・厚生労働省「令和7年外国人雇用実態調査」の結果を公表します
・厚生労働省「令和7年外国人雇用実態調査 調査結果の概況」(PDF)
【関連ページ】
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