2026/09/17
【審 査】入管庁と国税庁の情報連携が始まりました(令和8年7月1日適用開始)

いつもありがとうございます。
出入国在留管理庁(入管庁)と国税庁は、
令和8年6月30日付で「在留外国人に関する出入国在留管理庁と国税庁との間の情報連携に関する確認書」を取り交わし、
令和8年7月1日から適用が開始されています。
在留資格の申請審査において、
税務情報がこれまで以上に確認されうる仕組みが整ったことになります。
外国人ご本人はもちろん、
受入れ企業の皆様にも関わる内容ですので、
当所より要点をご案内いたします。
何が始まったのか
両庁が、在留外国人に関する情報を相互に提供し合う枠組みです。
目的は、在留外国人の公正な管理と、内国税の適正かつ公平な賦課・徴収にあるとされています。
協力を求められた側は、可能な限りこれに応じることとされました。
| 項 目 | 内 容 |
| 根拠文書 | 在留外国人に関する出入国在留管理庁と国税庁との間の情報連携に関する確認書
(令和8年6月30日付) |
| 適用開始日 | 令和8年7月1日 |
| 目 的 | 在留外国人の公正な管理、内国税の適正かつ公平な賦課・徴収 |
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どのような情報がやり取りされるのか
① 国税庁 → 入管庁
入管法第61条の7に基づく入管庁の求めに応じ、
国税庁は、別表第一または別表第二に掲げる在留資格をもって在留する外国人のうち、
納税の義務に関する悪質な違反があったものについて、情報を提供します。
具体的な対象は、補足文書において次のとおり示されています。
・消費税の不正還付に関して重加算税の賦課決定処分を行った事案のうち一定のもの
・所得税・法人税等に関する重加算税の賦課決定処分を行った事案のうち一定のもの
② 入管庁 → 国税庁
国税通則法第74条の12および国税徴収法第146条の2に基づく国税庁の求めに応じ、
入管庁は、
・情報提供を受けた在留外国人の、在留資格に係る諸申請の状況
・一定の在留資格や在留期間に該当する在留外国人に関する情報
を提供します。
③ 機密保持
両庁は、関係法令等に従い、相手方から受領した情報を
本来の目的以外で利用したり、他者に提供したりしないものとされ、
情報の機密性を保持することが定められています。
在留審査への影響
入管庁は、国税庁から提供を受けた情報を活用し、
当該外国人が在留資格に係る諸申請を行った際に慎重な審査を行うとされています。
とりわけ在留資格「経営・管理」については、
・消費税の不正還付に関して重加算税の賦課決定処分を受けた外国人
・所得税・法人税等に関して重加算税の賦課決定処分を受けた機関を運営する外国人
について、特に消極的な要素として評価されることとされています。
【誤解にご注意】「税金の未納=即不許可」ではありません
この話題については、
「少しでも納税に遅れがあると在留資格が更新できなくなる」といった受け止め方も見られますが、
公表資料上の対象は「納税の義務に関する悪質な違反があったもの」であり、
具体的には重加算税の賦課決定処分を受けた事案のうち一定のものが挙げられています。
重加算税は、事実の隠ぺいや仮装があった場合に課される重いペナルティです。
うっかりの納付遅れや、資力不足による分納とは、次元の異なる話とご理解ください。
もっとも、これは「納税状況が軽視される」という意味ではありません。
従来から、在留期間更新等の審査では、課税証明書・納税証明書を通じて納税状況が確認されてきました。
今回の連携は、その確認の実効性が高まったものと捉えるのが実態に近いと考えられます。
実務上、確認しておきたいこと
外国人ご本人(特に「経営・管理」の方)
▢ 法人・個人ともに、申告と納付が期限内に完了しているか
▢ 消費税の申告内容、特に還付申告の根拠資料が適切に保存されているか
▢ 役員報酬の設定と、実際の支払い・源泉徴収に齟齬がないか
▢ 住民税(特別徴収・普通徴収)に未納がないか
受入れ企業の皆様
▢ 従業員の源泉徴収が適正に行われているか
▢ 住民税の特別徴収の手続が漏れていないか
▢ 雇用契約書・給与明細・源泉徴収票・申請書の記載内容に矛盾がないか
▢ 扶養控除の適用が、実態に即したものとなっているか
在留申請の書類と税務書類の記載が食い違っていると、
いずれの手続でも説明を求められることになります。
申請の直前ではなく、日頃の労務・税務の運用そのものを整えておくことが、
結果的にもっとも確実な備えとなります。
背 景
なお、この情報連携については、
与党の外国人政策本部が令和8年1月に政府へ提出した提言において、
納税義務違反があった在留外国人に関する国税庁から入管庁への情報提供の対象範囲を
拡充すべき旨が示されていたと報じられています。
当所より
税務と在留資格は、これまで別々の手続として扱われがちでしたが、
今回の連携により、両者は実質的に連動することになりました。
「経営・管理」で会社を運営されている方
外国人材を雇用されている企業のご担当者様
にとっては、税理士・社労士等との連携も含めた体制の見直しが有効です。
ご自身のケースで気になる点がある場合は、お気軽にご相談ください。
当所では、在留資格申請にとどまらず、必要に応じて他士業と連携しながら対応いたします。
※ 本記事は令和8年8月時点で公表されている情報に基づいています。
最新の取扱いは各官庁の公表資料をご確認ください。
【出典・参考】
・国税庁「在留外国人に関する出入国在留管理庁と国税庁との間の情報連携に関する確認書」
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