【報 道】日本語教員の国家試験、年複数回へ 育成就労開始に向けた動き

いつもありがとうございます。
日本経済新聞は令和8年7月、文部科学省が日本語教員の国家資格試験について、
早ければ令和9年度(2027年度)から年に複数回実施する方針であると報じました。
現在は年1回の実施です。
背景には、令和9年4月に開始が予定されている「育成就労」制度があります。
外国人材の受入れに携わる企業の皆様にとっても、
日本語教育の担い手の確保は無関係ではありません。
当所より、制度の枠組みとあわせて整理いたします。
※ 本記事は報道内容に基づくものです。
令和8年8月時点で、実施回数の変更について文部科学省から正式な決定・公表がなされたものではありません。
今後の公式発表をご確認ください。
報道の要旨
文部科学省が、日本語教員試験を早ければ令和9年度から年複数回実施する方針
現在の年1回から受験機会を拡大する
あわせて、CBT方式(コンピュータを用いた試験)への切替えも進めるとされる
同年度に始まる育成就労制度により、日本語教員の不足が見込まれることが背景
前提として ─ 「登録日本語教員」という国家資格
令和5年に成立した「日本語教育機関の認定等に関する法律」(日本語教育機関認定法)に基づき、
令和6年4月から日本語教師は国家資格「登録日本語教員」となりました。
認定日本語教育機関において日本語教育を行うためには、
原則としてこの資格が必要です。取得ルートは大きく2つあります。
| ルート | 内 容 |
| 試験ルート | 日本語教員試験(基礎試験・応用試験)に合格し、登録実践研修機関が実施する「実践研修」を修了する |
| 養成機関ルート | 登録日本語教員養成機関の課程を修了することで基礎試験が免除される(応用試験の合格は必要) |
※ 現職の日本語教師については、別途経過措置が設けられています。
これまでの試験の実施状況
| 回 次 | 実施日 |
| 第1回(令和6年度) | 令和6年11月17日 |
| 第2回(令和7年度) | 令和7年11月2日 |
| 第3回(令和8年度) | 令和8年11月8日(予定) |
いずれも年1回・秋の実施です。
仮に不合格となった場合、次の機会は1年後となるため、
資格取得までに時間を要する構造でした。
複数回化は、この点を大きく変えることになります。
なぜ今、受験機会の拡大なのか
育成就労制度と日本語教育
令和9年4月に施行が予定されている育成就労制度は、
技能実習制度に代わる新たな枠組みです。
制度設計上、外国人本人の日本語能力の段階的な向上が求められており、
就労開始前や特定技能1号への移行時などに、
一定の日本語水準が想定されています。
つまり、制度の開始そのものが、日本語教育の需要を押し上げる構造になっています。
担い手の確保が課題に
一方で、教える側である日本語教員は、
国家資格化により参入のハードルが上がった面もあります。
年1回の試験では、需要の急増に対して供給が追いつかない懸念があり、
受験機会の拡大とCBT化は、この課題への対応と位置づけられます。
影響を受ける方
① 日本語教員を目指す方
受験機会が増えれば、資格取得までの期間短縮が期待できます。
仕事や学業と両立しながら準備を進める方にとって、
年1回という制約は大きな負担でしたので、朗報といえます。
CBT化が実現すれば、会場や日程の選択肢も広がる可能性があります。
② 認定日本語教育機関・日本語学校
有資格者の確保が計画的に進めやすくなる可能性があります。
ただし、複数回化が実現するとしても最短で令和9年度からであり、
育成就労の開始と同時期です。
それまでの人員計画は、現行の年1回を前提に組む必要があります。
③ 外国人材を受け入れる企業
直接の当事者ではありませんが、
育成就労では、受入れ側にも外国人本人の日本語学習に対する一定の関与が
求められる方向で制度設計が進んでいます。
日本語教育をどこに、どのように委託するかは、
令和9年に向けて検討しておくべき論点のひとつです。
教育機関側の人員体制は、その選択に影響します。
ご留意いただきたいこと
繰り返しになりますが、今回の内容は報道に基づくものです。
実施回数・実施時期・CBT導入の可否や範囲は、いずれも確定した情報ではありません
令和8年度試験(令和8年11月8日予定)は、現行どおりの実施が見込まれます
受験をご検討中の方は、「令和9年度から複数回になる」ことを前提に準備を先送りしないことをおすすめします
正式な情報は、文部科学省および日本語教育機関認定法ポータルの公表をご確認ください。
当所より
育成就労の開始まで、残り1年半余りとなりました。
受入れ体制の整備は、在留資格の手続だけでなく、
日本語教育をどう確保するかという点まで含めた検討が必要になります。
・育成就労への移行を見据えた受入れ体制のご相談
・現行の技能実習・特定技能からの移行に関するご相談
などがございましたら、お早めにお声がけください。
当所では、制度の動向を注視しながら、実務に即した情報をご案内してまいります。
※ 本記事は令和8年8月時点の情報に基づいています。
【出典・参考】
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